診療報酬請求事務能力認定試験に挑戦しようと思うと、
「問題量が多くて時間が足りない!」という声を多く耳にしますよね。
特に初めて受験する方にとっては、
試験問題のどこから手をつければ良いのか分からず、
焦ってしまうこともあるのではないでしょうか。
診療報酬請求事務能力認定は主催団体の令和8年3月31日をもって解散、
認定試験は令和7年度をもって終了することが発表されています。
この記事では最後の令和7年度に絶対合格したい!
という方のために、
現役医療事務講師でもあり、
診療報酬請求事務能力認定試験の検定対策も行っている筆者が、
合格のための戦略をご紹介します。
この記事の内容
- 診療報酬請求事務能力認定試験に合格するための解く順番
現役医療事務講師のすずきです。
現在も医療機関での仕事に携わりながら講師をしています。
また、医療の分野だけではなく様々な分野の資格試験の取得・勉強を続けています。
診療報酬請求事務能力認定で試験に合格するためには、
問題を解く順序を工夫することがポイントになります。
すべての問題を完璧に解こうとせず、
まずは「正解できる問題を確実に拾う戦略」を持つことが合格への近道です。
この記事では、解答順序の具体的なコツをお伝えします。
これを読めば、試験本番での時間不足への不安が和らぎ、
自信を持って挑めるはずです!
試験の時間配分についてはこちらの記事で解説しています。
診療報酬請求事務能力認定試験の概要
簡単に試験の概要について解説します。
試験概要
受験資格
どなたでも受験できます。
受験科目
医科と歯科に分け、それぞれ学科試験と実技試験を行います。
この記事では医科に関しての解説記事となります。
出題範囲等
1)学科試験
①医療保険制度等・公費負担医療制度の概要
②保険医療機関等・療養担当規則等の基礎知識
③診療報酬等・薬価基準・材料価格基準の基礎知識
④医療用語及び医学・薬学の基礎知識
⑤医療関係法規の基礎知識
⑥介護保険制度の概要
(2)実技試験(診療報酬請求事務の実技)
※なお、法令等(点数表を含む)は、受験回ごとにご確認ください。
試験場への診療報酬点数表、その他の資料の持ち込みは自由です。
試験日・時間
年2回(7月、12月)
試験時間 3時間
学科と実技はどちらが先か
診療報酬請求事務能力認定試験では、
問題を解く順序をあらかじめ決めておくことがとても重要です。
効率よく得点を積み重ねる戦略が求められます。
ここでは、筆者が実際に指導している基本的な解答順序をご紹介します。
実技と学科はどちら先でも良い
これは好みで決めていいと筆者は考えています。
時間配分については別記事で解説していますが、
簡単に言うと、
学科:1時間30分
実技:1時間30分
で問題を解きます。
どちらを先にやっていても、
1時間30分を大きく超える時間をかけることは、
もう一方の分野の得点に大きく影響します。
そのため、
実際の試験で大幅に時間をオーバーしそうなときは、
1時間30分で強制的に切り替えてしまうよう指導しています。
学科から解くメリット
学科は範囲も広く、
実技問題よりも対策がしにくいところ。
そのため、
苦手としている方も多いでしょう。
先に終わらせてしまった方が気が楽!という方は
是非先に学科を終わらせてしまいましょう。
あとはすっきりとした気持ちで実技問題に集中できます。
実技から解くメリット
実技は目安として1時間30分の時間配分を指導していますが、
練習量や実際の試験問題によってはもう少し短くできる場合もあります。
ここでいかに時間を稼げるかは
試験の合否を大きく左右します。
そのため、
先に実技を終わらせて残りの時間で学科にじっくり取り組むのも良い戦略です。
問題別の攻略法と実践テクニック
ここからは、学科と実技それぞれの攻略法と解答テクニックをご紹介します。
それぞれの特性に合わせた解き方を知ることで、
効率よく得点を狙っていきましょう。
学科:出来る問題から
学科では、医療保険制度や法規に関する知識を問う問題、
点数に関して細かくとう問題が幅広く出題されます。
実際に筆者が指導しているポイントは次の3つです。
選択肢を全部調べる必要はない
選択肢の正誤を全て確認する必要はありません。
解答を絞りながら効率よく調べるようにします。
4つの選択肢の中からわかりそうなものを一つ選び正誤を判断します。
その時点で解答の選択肢aからeの中で、
絶対に解答にならないものを除外します。
例えば、(4)の選択肢が×だったことが分かったとします。
その時点で解答がaかbに絞られます。
aとbには(2)が共通していますので、
(2)が〇になることはわかります。
ここで(2)の内容の正誤を判断することは意味がないことになります。
迷った問題は後回しにする
深く考える必要がある問題は一旦スキップして、
時間のロスを防ぎます。
一か所に悩んで時間をかけてしまうと、
試験時間は足りなくなってしまいます。
出来る問題からやっていくように切り替えることが重要です。
問1~4は後回し
問1~4は関連法規に関する問題で、
どの法規かの予測もたてられません。
健康保険法、療養担当規則は比較的出題数が多いということくらいで、
それでも範囲が広く苦手とする方も多い問題です。
そのため後回しにしてしまって良い問題です。
わかりそうな問題であればもちろん解いても構いません。
ここでも先ほどのポイント同様、
時間がかかりそうならスキップしてしまいましょう。
実技:ポイントを確実に拾う
実技では、定番の出題も多く、
対策もとりやすくなっています。
実際に筆者が指導しているポイントは次の3つです。
こちらも一つずつ解説します。
届出とストーリーを最初に確認
届出に関しては最初に熟読しましょう。
出題に関係のない届出もありますが、
ここで見落としがないよう、
重要箇所には〇をつけたりと工夫が必要です。
また、入院では近年同月に外来を受診しているパターンが多く出題されています。
このストーリーが冒頭に記載されていますので、
日付と内容をしっかり確認し、
重要箇所には〇などのしるしをつけておきます。
決まった記載の算定を落とさない
外来レセプトでは、外来迅速検体検査加算の記載。
入院レセプトでは、薬剤管理指導料、肺血栓塞栓症予防管理料など、
決まったパターンでの記載となります。
このようなポイントを絶対に落とさずに正しく算定しましょう。
何度も点数表を調べない
同じ点数を何度も調べないようにしましょう。
同じ点数に関する算定についての注意だけでなく、
摘要欄に記載する内容など、
何度も同じページを探して調べることはタイムロスになります。
同じページは一度で必要な情報を全て拾うようにしましょう。
当日の試験で気を付けるべきポイント
試験本番では、
緊張感や焦りで思わぬミスをしてしまうことがあります。
ここでは、当日試験で気を付けるべき重要なポイントをまとめました。
この内容を意識しておくだけでも、
十分に落ち着いて試験に挑むことができるはずです。
試験開始前の準備
- 試験会場でのルールを確認
試験官の説明をしっかり聞き、開始前に不明点をクリアにしておきましょう。レセプトの適用欄は足りなければ裏面に記載して良いというアナウンスもあると思いますので、しっかり確認します。 - 必要な道具を忘れずに持参
必要な筆記用具や電卓、点数表などを準備しましょう。ノートや過去問題集も持ち込みできますが、多すぎても調べる時間はありません。事前に必要なものを整理しておきましょう。
焦らないための心構え
- 解ける問題に集中する
時間がかかりそうな問題や迷った問題は後回しにし、解ける問題を優先して得点を積み上げましょう。 - 最後まで諦めない
残り時間が少なくなっても、部分点を狙えるように簡単に答えられる箇所に取り組むことが大切です。 - 周囲を気にしない
机を揺らされてしまったりすることもあります。また、試験開始直後に試験問題を破って切り離す人もいます。見たことのない参考書を机に出している人もいるでしょう。でも気にしないでください。自分の解答に集中しましょう。
終了間際の注意事項
- 見直し時間を確保
時間に余裕があれば、特に計算問題や重要な箇所をもう一度見直しましょう。
まとめ:効率的な解答順序で合格をつかもう!
診療報酬請求事務能力認定試験は、
医療事務の資格試験年は難易度が高く、
時間配分や効率的な解答順序が合格の鍵となる試験です。
今回ご紹介した以下のポイントを押さえれば、
合格への道がぐっと近づきます。
- 学科と実技のどちらを先にするかは好みで決めて良い
- 学科はできる問題から。
- 実技は頻出箇所を絶対に落とさない練習をしておく
試験はあくまで通過点にすぎませんが、
合格することで得られる自信やスキルは、
あなたのキャリアにとって大きな一歩です。
また、今回の試験対策を通して身につけた時間管理能力や分析力は、
実務にも活かせる貴重な財産となるでしょう。
令和7年度に絶対合格したい!という方は是非参考にしてみてください。
筆者は長年の指導のノウハウを生かし、
個別指導も行っています。
ここまでの学習状況もヒアリングした上で対策を行っていきますので、
興味がある方はお気軽にお問い合わせください。
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